take me out
Boy's side-19 (ぺージ1/2)
起こしたくねぇーな……。
名無子が寝始めて三十分が経つ。
いいかげん、コイツを起こさなきゃいけない。
ナルト達が待ってっからな。
俺はいやいやながらも、まわした腕をほどくと名無子の体を後ろの木にもたれかけさせた。
名無子の正面にしゃがみこんで、俺は顔をのぞき込む。
この前あった頬の傷が治っていることに気づいて、俺は素直に安心した。
にしても、すげぇ爆睡……。
「おーい、起きろー」
返事なし。
俺は右手で名無子の左のほっぺをつまんだ。
「起きろ」
……まだ寝るか。
俺は左手も使って名無子の右ほっぺをつかむ。
「起きろっつぅーの」
起こしたかねぇーけど、起きなきゃまずいんだよ。
「名無子ー」
……。
起きない名無子に俺は真剣に呟いた。
「起きねぇーとキスするぞ?」
無反応な名無子の頬から手を離し、後ろの木に左腕をつく。
それでも起きない名無子に俺は顔を近づけた。
もう少しで名無子の唇に触れそうになる。
俺はそこで顔を止めると、そのまま、やっぱり顔を離し、目を伏せた。
……何やってんだろーな、俺。
名無子に、しかも寝ている名無子にそんなことする自分の気持ちがつかみきれなくて、
何やってんだろーな。
もう一度同じ呟きを溜息にのせた。
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