take me out
Boy's side-14 (ぺージ1/3)
綱手と話を終え、俺は火影室をあとにした。
外へ向かう廊下の途中で待っていたのはカカシだった。
嫌な奴が待ってやがる……。
俺を見つけると、しゃがんでいたカカシが立ち上がった。
「よぉ、シカマル」
「どーも」
どーせ、名無しのことだろ?
俺は無愛想に返事をする。
そんな俺にカカシがたずねた。
「明日の任務、名無子も連れて行くの?」
名無子?
ずいぶん慣れ慣れしいじゃねぇか。
っつぅーか、俺が誰を連れて行こうがお前に関係ねぇし。
「なんでですか?」
「んー、まぁ、名無子は俺の大事な愛弟子だし? 一応、聞いとこうと思って」
俺の大事な愛弟子……。
そんなふうに言葉に出せるカカシが羨ましくて、俺の視線は自然とはずれた。
「……連れて行きませんよ」
数分前の火影室で、
「本当にいいのか、シカマル?」
綱手が少々不服そうに俺に聞いてきた。
「えぇ、まぁ。キバもナルトも強いッスから、いーです」
「本当に名無しは連れて行かなくていいんだな?」
念を押す綱手に、俺は意味もなく机の上の一点をじっと見つめて答えた。
「名無しは、連れて行きません」
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