take me out
Boy's side-12 (ぺージ1/4)

 bookmark?


「送ってく」
「はい?」
「お前んちまで送ってやる」

ホタルの飛ぶ川縁をあとにして、俺は名無しに言った。

遅くなっちまったからな。
めんどくせぇーけど、送ってやるよ。

俺が送ってくなんて初めて言ったから、名無しが聞き返してくるのも当然だった。

「家どっちだ?」
「別にいいですよ、送ってくれなくて」
「よくねぇよ。こんな遅くに一人じゃ危ねぇだろ。ほら、早く帰り道教えろ」
「……」

俺の問いかけに名無しは黙秘権行使。

ふーん。
そうきたか。

黙っている名無しに、俺はツカツカと寄ってその顔を覗き込む。
すげぇ真面目な顔をして。
キスでもしそうな勢いで、その顔を覗き込む。

「な…んですか?」

後ずさる名無しに、

ムニッ!

「――!」

俺は名無しの怪我してない方のほっぺをつまみ上げた。

「家どっち?」
「……あっぢ」

名無しの答えに、俺はニヤリと笑ってやった。

「おし、帰るぞ」

俺は名無しのほっぺを解放して、指さされた方向へと歩き出した。





(ページ1/4)
-70-
|
 back
select page/254

「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -