Girl's side-08 (ぺージ1/4)
bookmark?空を見たくなると、あなたを探してしまう自分がいる。
そんな自分に納得いかなくて、一人で空を見ようとするのに、私はひどく心細くなるから、いつだってあなたを見つけだしてそのそば近くに行こうとする。
なのに、ちょっとでもあなたが私に気づくと私は逃げていた。
庭に入ろうとするときに縁側から名前を呼ばれたり、道を歩くあなたの後ろ姿を追いかけているときに突然振り向かれたり、丘にいるあなたに近づくときに急に視線を向けられたり、そんな時いつも私は逃げ出していた。
自分の心臓の音に負けて、私は何度も逃げ出した。
それでも、やっと隣まで辿り着く。
奈良さんが何食わぬ顔して、私に無関心を決め込んでくれるようになったから。
笑わなくっても、めんどくさそーでも、この人は多分すごくあったかい。
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