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Boy's side-03 (ぺージ1/3)

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――名無しッ!!

俺の心臓がバクバク言ってる。
自分の息がやたらと荒い。
走ってるからっていう理由だけじゃない。

ウソだろ?!
マジかよ?!
二度と味方に怪我させるもんかって、俺はあんだけ誓ってきたじゃねーか。
それなのにまたこんな思いを――。

押しつぶされそうな恐怖に包まれながら、俺は自分自身に叫んだ。

あぁ、落ち着け、俺!
落ち着くんだ――!!

俺は走りながら必死に前方へと目を凝らした。
辺りを見回す男達と。

その足元にある名無しの死体……が、ない?
……どういうことだ?

俺はようやく奴らの近くの木にたどり着いた。
急いで状況を確認する。
俺はハッとした。

そうか――。

冷静になればすぐにわかる。

あいつ……分身――。
それで敵をおびき出しただけか。

俺はホッと胸をなで下ろした。
その俺の目に茂みの中から飛び出す名無しが見えた。
鮮やかに二人の男をのしていく。



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