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Boy's side-06 (ぺージ1/3)

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どのくらい経ったんだろう――。
たぶん一瞬だ、きっと。

あれほど降っていた雨がいつの間にか止んでいた。
二人、雨上がりの静けさに包まれる。
どこかで鳥の飛び立つ音が聞こえた。
ふいに目の前にいる名無しの瞳が微かに揺れて、ゆっくりと俺の顔からその後ろへと視線が外れていく。
名無しの口がほんの少し動いた気がして、俺も名無しの視線を追うように後ろを振り返った。

――ッ。

振り向いたその先には、いつの間にか大きく輝く七色の虹が姿を現していた。
突き抜ける青の中にかかる七色の架け橋。

虹……!

真っ白だった頭の中が色を取り戻して、俺はようやく言葉を発することができた。

「はぁーキレイなもんだな」

そんなありきたりな感想を漏らしながら、俺の頭からはさっきコイツが見せた顔が離れなかった。

名無しの、あの砕けそうな顔……。

俺は虹を見つめたまま呟いた。

「お前さー、空眺めるときは俺に言えよ。めんどくせーけど俺が一緒につきあってやるから。一人で見上げてんのも寂しいだろ?」

どういう訳かそんな言葉が口をついて出て、俺は内心ひどく焦った。

何言ってんだ、俺?
コイツのこと苦手なのによ――。



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