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Boy's side-05 (ぺージ3/4)

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あっちを通ったら大変だな。

俺は隣の野原に目を向ける。
そっちは容赦なく地面に雨が降りつけている。
そんな中、一瞬、人の姿が目に入った気がした。

こんな雨の中、まさかな。

俺はもう一度、横目に野原を見る。
――いた。
立ってる少女が。
見覚えのある二つ分けの髪の毛、黒のつなぎ姿。
どしゃぶりの雨の中、天を仰いで立ちつくす。

名無し……。

俺は視線を正面に戻し、そのまま走り過ぎる。

何してんだよ、あいつ?
まぁ、俺には関係ねぇけどな。

気持ちを切り替えるように俺は心の中で呟いた。

気にすんな、気にすんな。
このまま早く帰っちまおうぜ。
ほっとけ、ほっとけ。
……って、ほっとけるワケねぇし!
くそっ、イイ性格してるぜ、俺ッ。



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