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Boy's side-02 (ぺージ3/4)

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木の上で二人、気配を消し、辺りを窺う。
楽に感じられる人の気配に。

相手は三人……この様子だと山賊だな。

俺は名無しをチラッと見る。

ひとまずコイツを行かせて敵を引きつけるか。
運が良けりゃコイツが倒してくんだろうし、無理なら俺が助けてやればいい。
コイツの実力を見るにもそれが適策……。

俺は頭の中で作戦をまとめ上げる。
それから小声で名無しに話し始めた。

「名無し、敵は三人だ。忍じゃねぇ。金目のモノを狙って出てきた賊だろーな」

そこまで言うと名無しが俺を真っ直ぐ見て言った。

「まずは私一人で、ですよね?」

自分と同じ案を口にされて俺は内心驚く。

はっ、コイツ、俺の考えわかってんのか?
……まさかな。

俺はコイツの顔色を窺うように言う。

「おまえ、怖くねぇの?」
「別に。信じてますから、奈良さんのこと」

相変わらず無表情な目。

はぁー、危ないときは俺が助けに来るってとこまでお見通しか。
プレッシャーかける言い方しやがって。

思わず、あきらめ顔で片手をあげる。

「あぁ、わかった」
「では」

名無しが俺の前から姿を消した。





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