take me out
Boy's side-03 (ぺージ2/3)
良かった、アイツは死んじゃいない。
大丈夫だ。
それにしても……。
安心感とは別に今度は腹立たしさがわき上がってくる。
心配させんなよ、クソ!!
俺は口の中で名無しをののしった。
けど、そんなのは単なる八つ当たりってヤツで。
わかってる。
本当は焦った俺のミスだ。
すっかりこの場から意識を飛ばしていた俺の背後で
「油断したな」
男の低い声がした。
三人目か!!
俺に振り向く隙も与えず、すぐさま刀が振り下ろされる。
――ッ!!
「ウッ……か、体が……」
呻いたのは男の方。
剣を振りかざした状態で固まっている。
「残念だったな」
俺はゆうゆうと振り向いてニヤリと笑ってやった。
「影真似の術」
俺は敵を封じ込めたまま、視線を木の下へと移す。
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