take me out
Boy's side-02 (ぺージ2/4)
山頂を過ぎて下りに入っても俺達二人に会話はなかった。
旅の一座が仲良く話している分、こちらの静けさは嫌でも際だつ。
……たまんねぇな、この沈黙。
かといってコイツとしゃべんのもシャクだしな。
めんどくせー。
歩く。
歩く。
黙々と歩く。
歩くのみ。
俺は空を見上げた。
流れる白い雲。
俺も空に逃げてぇよ。
恐ろしく重いだんまりに限界を感じていたその頃。
ガサッ
――ッ!!
わかるかわからない程度の人の気配を感じた。
チラッと横を見ると、焦げ茶色の瞳が冷静に俺を見つめていた。
コイツも気づいたか。
「さぁてと。俺らの出番てとこだな。行くぞ、名無し」
「はい」
俺達は山道から外れ、森の中へ入った。
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