take me out
sky,cloud and-2 (ぺージ7/9)

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それは左手の薬指で、運よく泥に汚れていただけだったらしいそこから、シカマルさんは泥を払い、キレイな色彩が見えるようにしてくれた。

「なんかこの指、虹みたいですげぇキレイ」

私の横でシカマルさんが口元を緩め、褒めてくれる。
その表情にトクンと胸が鳴った。

「うん、虹を描いてもらったんです」

そうなんだ、左手の薬指に特別に描いてもらっていたのは虹なんだ。
空と雲を連想させるシカマルさんが同時に持っているイメージ、それは虹だから。
シカマルさんがいつだって私にくれた虹の光。
その虹を私は爪に灯したかった。

「いいんじゃね? 俺は好きだけど」

シカマルさんが私にむかって口角を引き上げる。
その照れたような笑みだけで胸がいっぱいになりながら、私は他の指にほんの少し見える蒼と白の説明をした。

「虹はこの指だけなんですけど、別の指は蒼と白のグラデーションになってて」
「そっか、それもキレイそうだな」

はい、と私が返すと、シカマルさんは不意にぎゅっと私の手を握りしめた。

「じゃあ、またそのネイル……サロンて言うんだっけ? それ行って来いよ。そんでまた塗ってもらってこい」

シカマルさんが私の顔に視線をとめて、ひどく聡明な、男らしい瞳を見せた。

「自分の彼女が綺麗になんのは嬉しいしな。それに他の指も見てみてぇーしよ。だって蒼と白のグラデーションなんて、空と雲みたいだろ?」

その言葉に、私は軽く目を瞠って、それからすぐに笑顔を浮かべた。



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