take me out
sky,cloud and-2 (ぺージ6/9)
どうだ、当たったろ? と得意げに言われて、私はコックリ頷いた。
「当たり、です……。でも、任務で削れてすっかり汚くなっちゃって」
せっかくキレイにしたのに。
私を励ますように、シカマルさんは私の指を優しく撫でた。
「俺ももっと早く気づいてやれば最初からお前に忍術使うよう指示したのにな。悪ィ」
小さく謝るシカマルさんにドクンと大きく胸が鳴った。
『お前、今日は忍術ベースでアシストしろ』
あの言葉……あれは私の爪に気づいたから、わざわざ言ってくれたの?
私のネイルを守るために――。
シカマルさんの気遣いに今更ながら気持ちが締め付けられる。
「すみません、私が任務の前に言っておけばよかったんです……。こんな汚れたのとこしか見せられなくて、ごめんなさい」
顔をあげられないまま謝罪の言葉を口にすると、シカマルさんが私の手をクッと引っ張り、自分の顔の前に持ち上げた。
それに引きずられるように私も視線をむける。
「へぇー、いいじゃねぇーか」
「え?」
「ほら、この指。ここだけは結構キレイに残ってるぜ」
シカマルさんが私の指を胸の前に下ろし、見えるようにした。
言われた指先を見てみれば――シカマルさんの言葉通り、キレイなネイルがのぞいている。
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