take me out
sky,cloud and-2 (ぺージ5/9)

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すると、俯く私のその手を不意に掴む者がいた。

「あーあ、こんなに汚くなっちまって」

耳に届くけだるげな声は私のよく知っている人のもので、おずおずと視線をあげれば、そこにはやっぱりシカマルさんが立っていた。

「シカマルさん……」
「もう、すっかり剥がれちまったな」

――え?

シカマルさんに、なぁ? と顔を覗きこまれて、私は慌てて口を開いた。

「あの、剥がれたって……」

私、爪のこと、ひとことも言ってないし、見せてもいない。
なのに、どうしてそれを知ってるの?

なんでも見通すシカマルさんを真剣に見上げると、ひどく優しく見下ろされ、思わず顔を伏せてしまう。
その頭上からひどく柔らかな声がかけられた。

「今日、お前、朝から俺に言いたいことあったろ。それが何かわかんなかったけど、任務中やけに指先、気にして見るし、何かあんのかなって俺も気にかけてたんだよ。そしたら、いつもより光って見えてさ。あげく、最後の敵の攻撃から手をかばおうともするし。あ、もしかしてネイルなんとかってやつじゃねぇーかって思ったわけだ」



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