take me out
sky,cloud and-2 (ぺージ4/9)

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後輩たちも無事、戦った相手を仕留め、私たちは今度こそ里への道を戻り始めた。
大門をくぐったところで後輩のふたりと別れ、その後シカマルさんは火影様のところまで任務完了の報告へと向かった。
私はといえば、シカマルさんの任務報告が終わるのを火影邸の外でぼんやりと待っていた。
本当はオフの今日、一日だけでもキレイな爪でいられるはずだった。

なのに……。

私は自分の手を見やり、深くため息をついた。
指先はもう散々だ。
クナイや手裏剣に削られ、傷だらけだし、敵の攻撃や自分の動きによっていたるところ土がこびりついている。
見るも無残な状態で、あれだけ綺麗で見るたびにウキウキできた爪先は今は逆にひどく汚く忌まわしいものとしてしか目に映らない。

こんなんじゃシカマルさんに見せられないよ。
少しでもシカマルさんに喜んでもらえたらって思ってたのに。
こんなことなら迷惑でも任務前に見ておいてもらえばよかった……。

見れば見るほど気分が沈む指先を、それでも指の腹でこすってちょっとでもキレイしようと足掻いてしまう。
けれど、足掻いたところで、こすった親指の爪の上に現れたのはやっぱり汚く剥がれたネイルアートの残骸だ。
私はますます気持ちをへこませた。



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