take me out
sky,cloud and-2 (ぺージ3/9)
「霞従者の術――」
呟いた術名にシカマルさんはわずかに考える素振りを見せた後、すぐに動き出した。
ガサリと近くの茂みに飛び込んで身を隠す。
きっと私の作りだす無数の幻影を囮に影から攻撃を仕掛けるつもりなんだろう。
その予想に違わず、シカマルさんの隠れた方角からはいくつものクナイが放たれた。
私も漂う霞から男のまわりに増殖していく自分の幻を盾に姿を隠し、樹上から手裏剣で男を狙う。
延々と果てしなく増え続ける幻影とそれにまぎれて加えられるふたりがかりの攻撃に翻弄されて、男の動きは徐々に精彩を欠きはじめた。
そんな男の疲労をシカマルさんが見逃すわけがない。
タイミング良く動へと転じ、シカマルさんは自分の隠れている場所から一本の黒線を男目がけてスススッと伸ばしていった。
その黒い線はシカマルさんの影に間違いなく、それを理解した私は次の行動に備え、樹上から眼下の様子に息を凝らした。
影はじわじわ男の足元に忍び寄る。
そうして、ついに男の体をとらえた。
その瞬間、
バッ!!
私はクナイを手に木の枝から勢いよく男の頭上へ飛び降りた。
影に捕まり身動きのできない男にクナイを突き立て、地面に押し潰す。
男は土の上に倒れ込み、そのままあっけなく力尽きた。
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