take me out
sky,cloud and-1 (ぺージ7/9)

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ネイル……。

昨日から見せたくてたまらなかった自分の爪のことが意識に浮上した。
私の引きとめるような気配に気づいて、シカマルさんはふっと立ち止まり、再度こちらに目を向けてくれる。
でも、私は首を横に振った。

「なんでもないです」

シカマルさんはまっすぐな瞳を私に寄こし、少し見つめた後、軽く手をあげ、アパートの外階段を足早に降りだした。

爪は、今、見せるのは無理だもんね……。

今は急に頼まれた任務のことでシカマルさんは頭がいっぱいだろう。
そんなときに浮かれた気持ちでキレイなネイルアートを見せられても迷惑になるだけに違いない。
私はシカマルさんの背を見送ると、自分の支度にとりかかった。





突然課された任務は里からその近くの渓谷にかけられた風輪橋という橋までの周辺警備だった。
急に火の国大名様の里への訪問が決まり、木の葉の忍は彼らが途中に通る風輪橋までお迎えにあがるよう要請されたそうだ。
そこで向こうの護衛と交代し、以後、大名様の里までの警護をこちらが受け持つ手はずである。
もちろん、大名様のお命を預かる以上、おそば役は暗部や上忍達が努める。
他に念のため橋近辺に怪しい人影がないか見て回る周辺警備が必要だということで、その部分をシカマルさんをはじめとする私たちが任されたのだった。
任務についた私は、唐突に湧きあがった大名訪問なだけに情報の漏えいも少なかろうと期待してかかっていたのだけれど、それはやっぱり甘い考えだったと思い知る。
大名様が橋に現れるまでだけでも、私たちは数組の襲撃グループと戦うはめに陥った。
確かに山賊レベルのたやすく排除できる連中も多かったが、中には明らかに忍たちで組まれた隊もあり、かなりの苦戦をしいられた。



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