take me out
sky,cloud and-1 (ぺージ6/9)
翌朝、自室の扉をノックする音が聞こえるや、私はいつも以上に軽い足取りで玄関に向かった。
昨日の夜はそれこそ家事をやるにも恐る恐るの状態だった。
そんな簡単に剥がれるわけないけど、それでも心配で、綺麗なままシカマルさんに見せたい気持ちが何よりも優先した。
その甲斐あって、爪は今も無事剥がれることなく保存されている。
これを見たらなんて言うかな。
へぇーいいじゃねぇか、なんて言ってくれるといいな。
優しい瞳で告げるシカマルさんの姿が浮かんで思わず頬を緩めながら私は扉を開ける。
玄関前には案の定シカマルさんが立っていた。
でもトクンと鳴った胸も一瞬で、シカマルさんのその浮かない表情を見て私はすぐに首を傾げた。
「どうかしました?」
シカマルさんは苦い顔で私の視線を受け止めて、不機嫌に呟いた。
「任務、だってよ」
「え? じゃあお休みは……」
「返上だな」
そんな……。
ひどくがっかりする私をじっと見つめ、それからシカマルさんはすぅっと視線を上空にはずしていつものように、めんどくせぇーとぼやく。
「とりあえず、俺らふたりに後輩下忍のふたりを加えて任務に出る。用意できたら大門集合な? 悪ィけど、俺は先行って他の連中が来るの待ってっから」
「あ、うん。すぐ出られるようにします」
「頼むわ。じゃあ後でな」
シカマルさんが玄関先から立ち去ろうとして、そのとき私はあっと思う。
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