take me out
sky,cloud and-1 (ぺージ5/9)

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同期のふたりと会計を済ませ、ネイルサロンの外に出ると、さっそく三人で輪になって、

「せぇーの!」

一斉に手を差し出す。
勢いよく突き出した手の先端にはみなキレイに塗られた爪がその存在を華やかに主張している。
目に映る友人ふたりの爪もそれぞれとても可愛らしいものだった。
ひとりはコーラルピンクをベースに白のフレンチネイルでシンプルな仕上がり、もうひとりはベビーピンクの爪の上にお花のデコレーションを施した可憐な指先になっている。

ふたりのネイルもとっても素敵!

そう思って口にしようとしたとき、それよりも先に彼女らが声をあげた。

「名無子のネイル、すっごいキレイじゃない!」
「うん、うん、いいよ、それ。なんか名無子に似合う!」
「そ、そっかな……ありがとう」

顔を赤らめ、どもりがちにお礼を言うと、ふたりが顔を覗き込んだ。

「そのデザイン、サンプルの中になかったよね?」
「何かイメージしてお願いしたの?」

まさかシカマルさんをイメージしたとも言えなくて、私は友人たちの視線に面映ゆい気持ちで呟く。

「空と雲、かな……」
「あー、わかる、わかる、そんな感じする」
「なるほどね、空と雲かぁ。だから薬指にソレ描いてもらったんだね」

私の左手の薬指に目を落としたひとりが納得声で頷いた。
私もウンと首を縦に振り、その爪を見つめる。
他の指とちょっとだけデザインを異にする薬指はあえて一本だけ特別扱いにしてみた指だ。
空と雲を思い起こさせるシカマルさんは同時に私の中でこのイメージをも併せ持ち、それをネイリストに描いてもらっていた。
私は今日なんど思い浮かべたか知れないシカマルさんの姿をもう一度胸に呼び起こす。

早くシカマルさんに見てもらいたいな。

明日は私だけでなく、シカマルさんも既にお休みを取っていて、ふたりで会うことになっている。
それがいつも以上に待ち遠しい。
私は太陽の光に反射する指先のラメに目を細めた。





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