sky,cloud and-1 (ぺージ4/9)
bookmark?うわぁ、キレイ……。
ほんと、イメージ通りだ。
私はその蒼と白のコントラストに吸い込まれるように瞳を向け、ネイリストのお姉さんにどんなデザインがいいか聞かれたつい先ほどのことを思い浮かべた。
正直、見せてもらったサンプルデザインの写真はハートを可愛くあしらったものやパールを乗せて上品に仕上げたものなどどれも素敵なものばかりで、とてもその中からひとつに決められない感じだった。
でもそのとき私はふっと思いついたんだ。
こんなふうにしてもらおうって。
それは、シカマルさんのイメージ――空と雲をモチーフにしたデザインだ。
『絶対、彼氏だって喜ぶって！』
お店に入る前に同期の友達から言われた言葉は店内でネイルケアをうけている最中も頭の中に残っていて、それに触発されるかのようにシカマルさんの顔が何度も脳裏をよぎった。
本当にシカマルさんが私の爪を見て喜んでくれるかはわからなかったけど、でもせめて彼のイメージ、空と雲のようなデザインにしてみたいなんて思った。
そのほうがきっとシカマルさんも気に入ってくれるだろうし、なによりシカマルさんの好きな空と雲が自分の指先に描かれていること自体が私にはとっても嬉しいことに感じられた。
だから蒼と白のグラデーションで、空に雲がたなびいているような印象にしてもらいたいとお願いし、そして、実際に塗られた爪は実にイメージにピッタリなものになっている。
そのことに感動する私の前で、ネイリストのお姉さんが薬指の仕上げにかかり始めた。
丁寧に動くネイリストの筆先を私はひどく満たされた気持ちで見つめた。
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