take me out
sky,cloud and-1 (ぺージ3/9)
外観同様、店内も白を基調にしたネイルサロンは明るく清潔な感じで好感が持てた。
さほど広くはないものの、三人同時にネイルしてもらうには充分な席数があり、私たちはそれぞれ案内された席に腰を下ろした。
お店の店員さんたちも優しくて、初めてネイルアートに挑戦する私にもひとつひとつ丁寧に相談に乗ってくれた。
「では、こちらのお色二色を使用してみましょうか」
ネイルケアの後、デザインのサンプルフォトを見ながらぎこちない説明で自分の希望のデザインを伝えた私はネイリストが選んでくれたマニキュアを見て素直に頷いた。
彼女の手に乗っているふたつの小瓶はそれぞれ透明感のある蒼と白の溶液を中に収め、そこに交じるラメが光に照らされ、キラキラと輝いている。
見ているだけで幸せになれそうな宝石みたいな小瓶に私の胸もふわりと浮きたった。
「はい、そちらでお願いします」
私の迷いのない返事を聞いてネイリストのお姉さんもニッコリと微笑む。
「さっそくお塗りしますね」
ネイリストの指が無駄を省いた動きで私の爪に色を乗せていく。
徐々に美しく変化していく指先に私の胸はますます高揚し、施行後のネイルはどんなに素敵だろうとワクワクしながら見守った。
ネイリストがラメ入りの蒼をたっぷり含む小さな刷毛で爪の根元から先端へとスッと色を滑らせる。
それから今度は白のマニキュアで先端から逆方向に色彩を溶け込ませた。
手慣れた所作で簡単に、私の爪には根元から先端に向かって蒼から白へのグラデーションが完成した。
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