take me out
sky,cloud and-1 (ぺージ2/9)

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ふたりに連れられ辿りついた場所は木の葉商店街の一角にオープンしている白壁のキレイなお店だった。
入口には外からでも店内をよく見通せるガラス張りのドアがあり、そこから中の様子をうかがった私は困惑ぎみに声を漏らした。

「ここって……ネイルサロン?」
「そう、当たり!」

右側から聞こえた嬉しそうな声音に目を向ける。

「名無子も一緒にネイルアートしよっ!」
「え、でも、私、ネイルなんて……」

忍としていろいろな任務に出る私たちは敵と戦うことなど日常茶飯事で、クナイを握ったり手裏剣を投げたりと指先に注意が払えるわけもなく、きれいにネイルデザインを施したところですぐに剥がれてしまうのは目に見えていた。
私が躊躇するのも当然で、だが今度は左の同期が明るい声で告げてくる。

「いいじゃん、たまには指先のおしゃれも。私ら、明日は任務オフだし、一日はキレイな爪でいられるんだよ?」
「まぁ、そうだけど……」

それでも二の足を踏む私にふたりは左右から追い打ちをかけた。

「名無子、彼氏いたよね? だったら絶対、彼氏だって喜ぶって!」
「そうだよ、自分の彼女がおしゃれするのを嬉しがらない彼氏はいない!」

そ、そうかな……。

彼女たちの言葉に一瞬、逡巡の表情を見せると、私のその迷う空気を逃がさず、ふたりはさっさと扉を開けた。

「さぁ、入ろ〜!!」

グッと腕を引っ張られ、私はふたりとともに店内へと雪崩れこんだ。



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