take me out
sky,cloud and-1 (ぺージ1/9)

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シカマルさんと付き合いだしてからというもの、私のまわりは少しずつ変化を見せている。
そのひとつはなんといっても交友関係だ。
今まで人との接触が極端に少なかった私が、任務で一緒になる同期や先輩忍者たちと会話を交わし、だんだんとその輪の中に溶け込み始め、遊びに誘ってもらえるようにまでなっていた。
そんな人との関係はちょっとこそばゆく、ときに意志の疎通がうまくいかずへこんだりもするのだけれど、でもやっぱりどこか嬉しいなんて感じるものだった。

「名無子ー!」

今日も、先輩の代わりに任務報告に行った私を先ほどまで任務で一緒だった同期の女の子ふたりが火影邸入口で待ちかまえ、声をかけてきた。
こちらに駆け寄るふたりを綻ぶ口元で見つめると、彼女たちは両脇から私の腕に勢いよく抱きついた。
その親しみのこもる彼女らの動作に嬉しさ半分、戸惑い半分で、私は慌てて左右に目を配る。

「何? どうかしたの?」

何事かと訊ねる私にふたりは口々に話しかけた。

「火影様への報告は終わった?」
「だったら一緒に行かない?」
「え? 一緒にってどこへ?」

目的地のわからぬお誘いにキョトンとした顔で答えれば、ふたりは顔を見合わせ、ふふっと笑う。
私を真ん中に挟んだまま、ふたりは「こっちこっち」と半ば強引に引っ張っていった。





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