take me out
penalty (ぺージ3/7)

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俺が語尾を引き取りニヤリと笑うと、名無子は頬をヒクリとさせ、無意味なニ回の空咳後、キッパリと言いきった。

「違う」

それから俺に怜悧な視線を投げつける。

「でも罰ゲームはシカマルさんに得なだけで私にはメリットがない」
「そりゃそうだな」

俺は顎に手を当て、思案する。
名無子が間違えることで俺には利益が生まれるが、名無子からすれば間違えずに終えたとしてもなんの褒美もありはしない。
ペナルティの可能性しかない名無子にとっては納得のいかないルールなのも当然だ。
しかも俺は褒美があるかないかのニ択であって不利益を被ることがないのだからとてもアンフェアな話だろう。
俺は名無子に目を向けた。

「だったら、今日お前が丁寧語を使わずにいられたら、俺に好きなことをひとつ命令できるっていうのはどうだ?」
「好きなこと?」
「そうだ。なんでもいい」
「なんでも?」
「あぁ」

頷く俺を見つめ、今度は名無子がしばし黙考する。
そして、それなら、と納得の気配を見せて名無子が数回首を縦に振った。

「やるか?」
「うん」

よし、と満足な声を上げた俺にふと名無子が真剣な顔を見せた。

「ちなみに私の受ける罰ゲームって……?」
「そりゃもちろん、丁寧語を使うたびにペナルティとしてキス一回」
「えッ――?!」

俺はわざと片方の口端を持ち上げて、絶句している名無子を見る。

「自信あんだろ、丁寧語を使わない自信が。だったらキスされることもねぇーよ、気にすんな」

容赦なく名無子の文句を塞ぎ込み、俺は強引にこのゲームの開始を告げる。

「さてと、始めますか」

今から丁寧語は無しな、という俺の言葉を合図に俺と名無子のおかしな会話が始まった。





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