Girl's side-36 (ぺージ2/4)
bookmark?忘れもしない、シカマルさんとケンカをしてしまった日に。
任務で頬に傷をつくった私にいつのまにかシカマルさんは絆創膏を貼ってくれていて。
本当はすごく嬉しくて、私はずっと……。
「へぇー」
私の隣でシカマルさんは何かに納得すると、絆創膏を貼った顔のまま私の手をつかんで歩き出した。
その声に首をかしげつつ、私もあとをついて歩く。
そんな私の耳に、シカマルさんのすべてお見通しって響きの言葉が届く。
「で、お前はずっとそのお礼を言いたかったわけだ？」
「……」
私は思わず黙り込んだ。
シカマルさんの言葉はその通りで。
私はずっとお礼を言いたかった。
でも、そんなしっかり言い当てられるとなんか妙に気恥しくって、素直に認められなくて。
そこまで思って、私は一つの答えに行き当たる。
「あぁ、もう……ほんとシカマルさんには勝てない」
私は強がるようにそっぽをむいて、それでも心から負けを認めた。
いつだって何食わぬ顔で私の考えを理解して。
意地悪したり
すごく男っぽい表情をしてみせたり
そのたびに私はドキドキさせられて。
寂しいときはかならず私のそばにいてくれて。
そうして、見渡す限り暗闇だった世界から私を連れ出して、シカマルさんは虹の光を与えてくれた。
そんなあなたに、私は絶対勝てないよ。
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