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Girl's side-34 (ぺージ3/4)

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そして、今度はハッキリした声で、

「キレイ!」

と言って虹を指す。
シカマルさんと虹を見たあの日、私の中に虹が架かった。
あたたかでやわらかな虹が、あの日からずっと私の中で光りつづける。

それはあなたが私に架けてくれたんです。

私は満たされた気持ちでシカマルさんを見つめながら、七色の虹を指さしていた。

「……おまぇ…」

シカマルさんの呟きが聞こえたかと思うと、突然私の足が宙に浮いた。

え?
え?!

気がつけば、私の体はシカマルさんに腰をしっかりつかまれて、空に向かって抱き上げられていた。
少年のような笑顔で、シカマルさんが、

「名無子!」

って私の名を呼んで、水たまりの中をバシャバシャまわるから、抱きあげられた私の体もグルグル一緒に宙を舞う。
私は驚きのあまりシカマルさんの肩を両手で強くつかんだ。
何度も何度も名前を呼ばれて、それでも私は訳がわからなくて、

「シ…シカマルさん? シカマル……さん?!」

懸命に呼びかける。
すると、ひと際嬉しそうな声でシカマルさんが叫んだ。

「名無子! 笑った! お前、笑ったーーー!!」

…私……笑った?

足を止めたシカマルさんにぎゅっと腰を抱きしめられ、そこでドキンと思考が飛ぶ。
肩をつかむ私の手には反射的に力が入った。
頭の中はまとまりを失って、こんな時に思わず一番心配になったのは抱き上げられている体の重さだった。

「……お、重くない? シカマルさん?」
「重くねぇーよ、ぜんぜん」

それっきり静寂が二人を包み込んだ。
そんな中、私の頭にじわじわ理性が舞い降りる。



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