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Girl's side-34 (ぺージ2/4)

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マズイ、マズイ。
急がなきゃ。

私は定食屋さんへの道のりを一人、一生懸命に走っていた。

シカマルさん、イライラしてるかな……。

家に忘れ物をしてしまった私は、途中の野原にシカマルさんを残し、いったん家に戻った。
忘れ物とはこの間任務に忘れていったあのお守り。
枕元に置きっぱなしだったそれを無事右胸のポケットに収め、私は今、シカマルさんの待つ野原へと向かっている。
前方に野原が見えてきた。
シカマルさんが手持無沙汰に水たまりをパシャッて蹴りあげる姿が小さく確認できて、

「すいませーん。お待たせです」

私は走りながら謝罪の言葉を叫んだ。
私の姿に気づいたシカマルさんからだるそうな声が返ってくる。

「おっせぇーよ、お前。めんどく……おっ」

おっ?

シカマルさんの前にたどり着いた私は、ホントにすみませんと謝りつつ、シカマルさんが最後に洩らした感嘆符の理由が知りたくて、その顔をじっと見つめた。
シカマルさんが指で私の背後を示す。

「うしろ。見てみろよ」
「――?」

私は素直に後ろを振り返った。

――ッ!!

その瞬間、言葉を飲み込む。
今まで背中を向けていた空には、いつの間にか大きな虹の橋が輝いていた。
前にシカマルさんと見上げた虹のように大きくて立派なキレイな虹。

「すごい……」

私は虹に吸い込まれるように呟くと、ゆっくりゆっくりシカマルさんのほうを振り向いた。



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