take me out
Girl's side-33 (ぺージ2/3)
そして、
「のど渇いたな。お茶淹れてくんねぇー?」
なんだか空気を読めない場違いな声が響いて、私は思わず冷やかな顔で呟いた。
「私、ケガ人なんですけど」
それに対してシカマルさんがシレッと言ってのける。
「そんなことはわかってるよ。だから今日、病院まで迎えに行ったじゃねぇーか」
「そーですけど。でも、ケガ人なんで」
「なんだよ、もっと、いたわれって?」
「です」
私はうんうん頷いた。
シカマルさんは少しばかり黙り込むと、
「そぉだな。確かにケガ人はいたわんねぇとな。俺が悪かったよ。んじゃ……」
ニヤリとお得意の表情で言葉を続けた。
「キッチンまでお姫様抱っこしてやる」
からかってる、絶対……。
「……結構です」
私が速攻拒否すると、シカマルさんはさらに楽しそうに口を開いた。
「遠慮すんなよ」
「してないんで!」
ムキになって答えながら、私はフォトフレームをサイドテーブルに戻し、
「お茶淹れてきますからッ」
パタパタとキッチンに駆け込んだ。
慌てる私を後ろで面白がるシカマルさんの雰囲気が伝わってきて、私の恥ずかしさは倍増していく。
まったく、もう……!
お湯を沸かしてお茶を淹れる間に、私は一生けんめい自分の気持ちを落ち着かせる。
何度も深呼吸した後、私はお茶の入ったマグカップを持って、シカマルさんの元へと戻った。
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