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Girl's side-31 (ぺージ3/4)

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静まり返った室内の安全を確認すると、私は窓に近寄ってそのガラスを開けた。
さっきまでシカマルさんがいた木の上には当然その姿が見当たらなくて、どこかにうまく身を隠したことを物語る。

「シカマルさん?」

囁き声で私はシカマルさんを呼んだ。
すぐに返事が返ってこなくて、

「……帰っちゃいました?」

ふいに襲われた不安感に、私は窓から身を乗り出し、目を凝らしてその姿を探した。

「帰ってねぇーよ」

そう声がしたかと思うと、シカマルさんが他の枝から軽々と私の前の枝にまで飛び移ってきた。

よかった。
まだ、いてくれた。

こんな真夜中に引き留めるのもいい迷惑だろうけど、身勝手にも私は帰らないでいてくれたことにホッとしていた。

「コレ、やるよ」

シカマルさんがポンッと、手にした包みを私めがけて放った。
パコッと、私の両手にうまい具合に届いたその包みに私は首を傾げる。

「なんですか?」
「開けてみろよ」
「うん」

私は素直にうなずくと、ゴソゴソと包装紙を解いた。

「あ……コレ!」

中を見て声をあげる。

「お前んちにあったウサギの仲間だろ?」

包みの中には茶色いクマのぬいぐるみが横たわっていて、私は大事にその子を抱き上げた。
漢数字の「一」を二つ並べたような目に、三角を逆さにしたような鼻。
簡単なパーツの顔も、タオル地でできているところもうちのウサギちゃんとよく似ている。
家で心細い時、私はいつもあのぬいぐるみを抱きしめていた。

ここにあの子がいないことが本当はすごく寂しかったから……。

このクマのぬいぐみは私にとって、とても嬉しい存在だった。
私はクマのぬいぐるみからシカマルさんに顔を向けた。
心の底から感謝する。

「ありがとう」
「どーいたしまして」

シカマルさんから満足そうな視線が返ってきた。
その視線を受けて、

アレ?



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