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Girl's side-31 (ぺージ1/4)

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部屋に入り込む夜の外気に囁くように、心の中で何度呟いたかしれないあなたの名前を私は呼んだ。

「シカマルさん!」
「よぉ」

シカマルさんは木の上でしゃがみこんだ姿勢で片手をあげた。
私が驚いてる姿に満足気な笑いを洩らす。

「悪ィ、寝てたか?」
「まだ、寝てませんけど……」

寝てないんじゃなくて、あなたのこと考えて眠れなかったんです。

言葉を詰まらせる私に、

「どーしたんだよ?」

シカマルさんは意地悪っぽく聞いてくる。

「どーしたって…シカマルさんこそ……」

なんで、ここに?

「俺? 何言ってんだよ、俺はお前の見舞いにきまってんじゃねぇーか」
「見舞いって…こんな遅くに?」

もう、だって真夜中だよ?

私の言葉にシカマルさんは、そんなことはわかってるよと言わんばかりに、

「しょーがねぇーだろ。任務で今、帰ってきたばっかなんだから」

と無愛想に言った。

え…?

私はなんかシカマルさんを見続けられなくて視線を外した。

任務終わってすぐに会いに来てくれたの?
任務で疲れてるのに。
こんな真夜中なのに――。

トンッて背中を押された気がした。
怖いとか恥ずかしいとか動揺とか混沌とした自分の感情を、嬉しいとか愛しいとか期待とかシュワシュワ弾けた思いが凌駕して、私の理性を飛び越える。

「あの……あたし……」

夜の静寂を破って、私は言葉を発していた。

「そっち行っていいですか?」

私はシカマルさんを見つめて言った。



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