Girl's side-30 (ぺージ3/3)
bookmark?コッ。
何かが窓に当たった気がして、私はタオルケットから目を出した。
しばらく耳を澄ませてみるものの、他に何も音はしなくて、
虫でも飛んできて、窓に当たったのかも……。
一瞬注意の逸れた私の気持ちはまたすぐに期待と気落ちの挟間へ逆戻りした。
悶々とする胸の内にシカマルさんの姿が思い浮かんで、私はグーッと苦しくなる。
会いたい、シカマルさんに。
昨日も今日も会ってない……。
私は無意識に枕元に手を伸ばした。
何もつかめず空振った手に、ここにはいつも抱きしめていたぬいぐるみがいないことを改めて気付かされる。
そんなことひとつにも溜息が出た。
コツッ！
と、また何かが窓に当たった。
さっきよりも確実に大きな音がして、私は窓の方へと目を向けた。
何……？
私は恐る恐る白いカーテンを開け、窓越しに真っ暗闇な外の世界へ目を凝らす。
窓の外に見える木の枝に人の姿を発見した。
シカマルさんッ！
今、会いたいと思っていた人が、ガラスの向こう側にいる。
私は寝静まる病室に音が立たないよう、私たちを隔てるこの窓を急いで開けた。
to be continued.
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