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Girl's side-29 (ぺージ2/3)

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それでもシカマルさんは耳を傾けて、

「なんだか、すげぇお守りみてぇだな」

きちんと相槌を打ってくれた。

「すごいんです。本当に。今度、シカマルさんに見せますから」
「あぁ、頼むよ」

私を見るシカマルさんの眼の表情があまりにも優しくて、陽だまりの温かさに包まれるような幸せを感じる。
その分、一緒に定食屋さんに行けなかった現実と、約束を守れなかった自分の不甲斐なさを悔いる気持ちは膨らんだ。

ごめんなさい、シカマルさん。
私、約束守れなくて……。

そう伝えたくて、

「……あの」

私が口を開くと、シカマルさんの視線がまっすぐ私を見透かした。

「謝ったりしたら、許さねぇーからな」
「シカマルさん……」

まだ何も言ってない私の胸中を手に取るようにわかってしまうシカマルさんは、私が謝ったら本気で怒りそうな真剣さで言葉を続けた。

「待っててやるから。だーから。早く良くなれよ。一緒に食いに行くんだろ? サバミソ定食」

シカマルさん……。

「……うん」

私は胸がいっぱいになってうなずくのが精いっぱいだった。
そんな私にシカマルさんは、

「なら、約束破ったうちに入んねぇーよ。謝んな。行くのが予定より遅くなっただけだろ。ちょっとだけな。…いや、ちょっとじゃねぇーか。かなり? 相当?」

そう言って、いつもみたいにからかうような顔を見せる。
その顔に、

「うん……相当」

私が返事を返すと、

「だな」

シカマルさんはさらに満足そうにニヤリと笑った。
そんなシカマルさんを見ていたら、私の口から勝手に言葉が滑り出していた。

「ありがとう。シカマルさん」

こんなセリフを自然に言えてる自分にひどく驚いた。
でも、確かにこれは正直な気持ちだ。



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