take me out
Girl's side-26 (ぺージ3/4)
……あれ?
ない――。
いつも右胸のポケットに入れて持ち歩いているお守りを忘れてきたことにはじめて気付く。
そっか、ベッドの枕元に……。
昨日つなぎから取り出して枕元に置いたまま眠ったのを思い出した。
そのまま置いてきちゃったんだ。
お守り忘れるなんて縁起悪……。
やっかいなことに巻き込まれないよう祈りながら、焦る心にせかされて、私はカカシ先生のそばに立った。
「どうしたんですか?」
言いながら、カカシ先生の足元に転がるうつぶせの死体に視線を向け、私は目を見張った。
「コレ……」
見たことあるその後ろ姿に、私はカカシ先生を見上げる。
「あの二人組の…片割れ、ですよね?」
私たちが森で襲われ、現在暗部が探索しているにも関わらず、なかなか尻尾を掴めないでいる例の不審な忍たち。
そのうちの一人が、今、死体になって倒れている。
カカシ先生が口を開いた。
「そうだと思う。名無子、一応、念のため死体の顔、確認しよう」
「はい」
私は素直に男のそばにしゃがみこむと、死体を仰向けに返した。
その瞬間、
――ッ!!
死体の顔を見て、私は息を止めた。
私を見上げた死体の虚ろな顔が、
カカシ先生ッ?!
そばに立っているはずのカカシ先生の顔をしている。
慌てて横に目をやり、さらに私は息を飲む。
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