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Girl's side-26 (ぺージ1/4)

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『人前で上手に泣くこと』
『それともう一つ』

目の前を枝から枝へと飛びゆくカカシ先生の後ろ姿を追いかけながら、私は以前言われた言葉を思いだしていた。

泣くこと……。
誰かの前で。

それが私にはできなかった。
昨日までの私には。

それともう一つ――。
そのもう一つってなんだろう?

未だその答えは私には見当もつかなくて、

カカシ先生に聞いてみようかな……?

そんなズルイ手段が頭をよぎる。
でも私はその考えを否定した。

やめとこう。
今日はこのまま早く里に戻ることだけ考えよう――。

だって、シカマルさんが待ってる。
せっかくこれだけ順調に任務を終えて帰ってきてるんだから、カカシ先生につかまったりして変にロスタイムを作りたくはない。

そんなこと思ってるなんてバレたらカカシ先生すねそうだなぁ……。

私は多少の申し訳なさとともにカカシ先生の大きな背中を見つめた。

ぐにゃ……。

え?

目の前を走るカカシ先生の姿が一瞬歪んだ気がして、私は目をこすった。



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