take me out
Girl's side-23 (ぺージ2/5)
そうなんだ。
ダメなんだ、逃げちゃ。
シカマルさんになら、きっと見せられる。
怖くても……。
私の気持ちを。
向き合う覚悟を決めた私の前で、やかんがシューと湯気を吐き出した。
その火を消すと同時に私の背中に声がかかる。
「よぉ、任務はどーだった?」
私はマグカップやらティーポットを用意しながら、
「別に。いつも通りですけど」
「カカシと一緒に行ってきたのか?」
「そーですけど」
急須代わりのティーポットに緑茶の葉を入れて、やかんからお湯をコポコポと注いだ。
シカマルさんがちょっとだけ聞きづらそうに口を開く。
「カカシってどーよ? 何か話したりすんのか?」
カカシ先生?
今日もろくな話してないっけ……。
私は任務帰りに辟易した会話を思い出しつつ返事を返す。
「うーん、あんまり」
「ふぅーん」
私はマグカップへお茶を淹れながら、
「あ、でも」
と言葉を続けた。
「でも?」
私は淹れたての日本茶を運び、シカマルさんの前に置くと、面と向かって座り込んだ。
「尊敬してますよ。スゴイ忍だし、勤勉だし」
「勤勉……?」
訝しげな顔してシカマルさんが説明を求めるように呟いた。
「いつも本読んでるじゃないですか」
その言葉を聞いて、シカマルさんが一瞬フリーズした気がした。
(ページ2/5)-140-
←|→ backselect page/254