take me out
Girl's side-18 (ぺージ2/2)
そんなシカマルさんにイラッとして、
「ナルトさんとキバさんを早く追いかけないと」
私は異議を唱えた。
こうしてる間にも、彼らはきっと頑張って戦ってくれてるんだから。
早く追いかけて助けにいかないと。
それでもシカマルさんは、黙ってただ私を見つめてくるだけだ。
私をドキドキさせるあの男っぽくて、それでいてどっかとても優しい眼差しで私をまっすぐ押さえつけ、抵抗しようにも全く歯が立たない。
私はすぐに降参して視線を逸らし、あなたの隣に座り込んだ。
シカマルさんの視線に逆らえない自分が妙に悔しくて、私はつなぎのポケットから乱暴にアメを取りだす。
「よかったら、どーぞ。甘いモノ食べると疲れ取れますから」
顔をそむけて、拗ねてるってバレそうな声で、私は右横に座るシカマルさんにアメをグイッと突きつけた。
「さんきゅ」
シカマルさんはいたって普通に受け取って、私たち二人はパクンッとアメを口にほうり込んだ。
口の中で溶けていくアメの甘さに思わず癒されて、シカマルさんが隣にいる温かさにホッとして、不覚にも眠くなる。
あぁ、ヤバイ、寝不足の体でちょっと頑張りすぎた……。
隣でシカマルさんが話し始めた気がするのに、なんかひどく気持ちよくて、私の意識は睡魔の勢いに簡単に飲みこまれていった。
夢の中で。
虹がかかっていく。
私の目の前で、暗い空に虹がかかっていく。
七色に輝いて、その光は私の上に降りそそいだ。
to be continued.
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