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Girl's side-03 (ぺージ2/2)

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今度は奈良さんの姿を探した。
右を見て、左を見て、上。

――いた!

すぐ近くの木の上でこちらに背を向けた奈良さんを見つける。
向かいには敵の姿が見えた。
私は即座に木に登り、敵の後ろに飛び出した。

ガッ!!

そのまま手刀を肩口にくらわせ、男を気絶させると、落ち着いた視線を奈良さんに向けた。
無言で返された奈良さんの視線はやけにトゲトゲしてて、私はなんとなく、

「すみません、余計な手出しでした?」

謝っておいた。

「いや……そんなことねぇけど」

言葉のわりに十分迷惑そうな気配を私は受け流し、

「残りの二人もそこの木に縛っときましたから」

指で下の木を示して報告した。

「あぁ」

奈良さんはそちらへ視線を走らせた後、すぐにまた黙り込んだ。

そういえば、この手裏剣。

私はつなぎのポケットに無造作に突っ込んである手裏剣を思い出した。

「奈良さん。あの――」

コレ……。

「あ?」

これまでで一番嫌悪感を漂わせた返事をされて、私は思わずどうでもよくなった。

「……いえ。なんでもないです」
「あーそうかよ」

奈良さんのめんどくせぇーと言わんばかりの態度にこちらも黙り込む。
気にくわねぇー。
奈良さんのそんな心の声が感じられて、私はいつもの変な安堵感に包まれた。

相手に嫌われてしまえば、こちらが相手を大事に思うこともない。
死のうが、傷つこうが、私が痛みを感じることはない。





to be continued.
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