take me out
Girl's side-03 (ぺージ1/2)
さっきいた所からだいぶ離れた場所まで私は来ていた。
木の陰に隠れて印を結ぶ。
現れたもう一人の私を目立つ場所へと立たせて放っておくと、自分は木陰で、動く人の気配だけに集中した。
1、2……。
――かかった!
分身めがけて二人の人間が勢いよく飛びかかる動きが感じられて。
私はそっちの方向を覗き込んだ。
いた。
刀やら斧やら物騒な武器を持った男が二人、突然姿を消した私の分身に驚いて立ち往生している。
この混乱を見逃さず、私は奴らに近づいていく。
そして、タイミングを計って飛びかかった。
一人を背中から踵を振り下ろして蹴り倒すと、残った一人は鳩尾に拳をくらわせ地面にのした。
気を失った男共の体を一体ずつ、近くにある木まで手早く引きずっていく。
縄でこの木に縛りつけておこう。
二人目の男を運ぼうとそのそばに近寄ったとき、私は足元に見慣れた金属を見つけた。
手裏剣?
2〜3枚ある手裏剣を手にとって疑問に思う。
なんでこんな所に?
私は二体の男を木の根元に集めて縄で巻き付け始めた。
巻き付けながら、私は手裏剣のことを考えていた。
これって、もしかして奈良さんが?
分身じゃなくて、ホントに私が襲われるように見えて助けるために?
それなら辻褄が合う。
ふーん。
私は無感情に納得した。
納得したところで縄を巻き終わる。
完了。
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