Girl's side-11 (ぺージ2/3)
bookmark?私は星で溢れる空を見上げて、奈良さんにバレないように深呼吸を一つしてから、
「……キレイですよね…」
って呟いた。
隣から
「あぁ」
って答えが返ってくる。
その声がいつもよりなんだか優しくて、私は嬉しくなってしまった。
でも、ちょっと恥ずかしくもなって、私はパッと立ち上がると、自分の左手を星空へと伸ばした。
背伸びして、
えいっ えいっ えいっ
左手で一生懸命、星を取ろうと手を伸ばす。
その後ろから、
「ばーか」
声がかかり、私の左横に奈良さんが並んで立った。
「んなことしたって、星はつかめねぇーぞ」
なんて言いながら、私の手よりもさらに上の空間で、右手を開いたり握ったりして、星をその手につかもうとしてる。
そんな奈良さんがボソッと呟いた。
「星、つかみてぇーよな」
あぁ、ほら。
また、そうやってこの人は、私の気持ちを手に取るように理解しちゃうんだ。
少し力が抜けそうになった私の手を、突然、奈良さんが握りしめた。
え？
奈良さんが思いっきり、何かをひらめいた軍師みたいな目をして私を見る。
「ちょっと俺につきあえ。めんどくせぇーけど、とっておきの場所に連れてってやるよ」
そう言って奈良さんが駆けだした。
私の手を握ったまま。
つないだ手の、そのあたたかさとともに。
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