take me out
Girl's side-11 (ぺージ1/3)
閉じていた重いまぶたを持ち上げると、星空が目に飛び込んできた。
「よぉ。起きたか?よく寝てたな。ずいぶん疲れてんじゃねぇか、お前」
横からよく知った声が聞こえても、今の私には何がなんだか理解不能で、
「んーー……」
と、答えるのが精一杯だった。
なんだっけ?
何してたんだっけ?
ボケた頭の中を寝入る前までの記憶がフラッシュバックして、
あぁ、そうか、私は奈良さんが心配で……。
と納得する。
と同時に、
あっ、奈良さん?!
私は急いで奈良さんを見た。
寝入った私にベストをかけてくれていたらしい奈良さんは、それを手にしていた。
「あ……」
と、呟いた私に
「ん?」
と、視線を寄こした奈良さんの顔はいつも通り何も変わってなくて、私はすごくホッとした。
反面、ベストをかけてくれてたお礼を言わないとッて、変な焦りを感じて、奈良さんの顔を不自然にジッと見つめてしまった。
「あぁ、気にすんな」
え……?
ベストにチラッと視線を走らせた奈良さんの返事に、私はすごくドキッとした。
自分の思いを見透かされたような、私が言わなくても理解してくれているような、この人の言葉に私はいつも心臓が破れそうになる。
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