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Girl's side-10 (ぺージ5/5)

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風の吹き抜ける緑の丘を一歩一歩昇っていくと、確かに見えた。
奈良さんの寝転がる姿が。
顔に腕をあてていて、その表情は見えないけど、私は静かにそばに近寄って行く。
草を踏む音が妙に響いて、私の心臓はいつも以上にドキドキした。
奈良さんの近寄りがたい雰囲気に、私はオズオズとその姿を覗き込んだ。

寝ちゃってるの?

身じろぎ一つない奈良さんに、私はどうしたらいいのかわからないながらも、その隣に腰をおろした。
横を見ても腕が邪魔で顔はやっぱり見えなくて、私は仕方なく空を仰いだ。
草を揺らして流れていく風が私たちを包む。

何やってんだろ、私。
でも、なんていうか……。

『一人で見上げてんのも寂しいだろ?』

私は心の中で、奈良さんの言葉を借りてみた。

一人で見上げてんのも寂しいだろ?
そう、だから今日は私がそばにいる。
奈良さんのそばに。

それにしても、なんかすごく眠い。
任務でたまった疲労感に、私は思わず草の上に体を横たえた。
体をなでる風が心地よくて、降りそそぐ日射しがまたあたたかくて。
ひどい安心感に包まれながら、私は三秒で眠りに落ちた。





to be continued.
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