take me out
Girl's side-10 (ぺージ4/5)
らしくないから、私。
誰かのこと、こんなに心配するなんて……。
同じ心配でもカカシ先生のときとは違う気持ちにとまどって、私の足が進まなくなった。
カカシ先生に対する気持ちは役に立てなかった申し訳なさからで。
奈良さんのは……?
奈良さんのは……私には全く関係ない。
全く関係ないけど。
でも、そんなこと言ったって。
やっぱり今はほっとけない――。
解読不能な衝動と共に、私はまた駆けだした。
任務にほんとに失敗したのか知らないけど。
そのせいで落ち込んでるのかわかんないし。
だいたい、落ち込んでるのかどうかも定かじゃなくて。
でも、なんか違ったんだよ。
それだけは絶対に確かなことだから。
今は、私、ほっとけない。
任務上がりで疲労してる足はうまくあがらず、もつれがちで、私は懸命に駆けていく。
行き先?
行き先なんて、この方向なら。
転びそうになる体を、地に手をついて体勢を保ちながら、一心に前へ前へと進んで行く。
奈良さんの行く場所なんて決まってる。
荒い息の私の前に見慣れた丘が姿を現した。
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