take me out
Girl's side-10 (ぺージ3/5)
はぁーーっと綱手様が大きくため息を吐き出した。
「なんだって、こうも、いろいろ重なるんだ」
「……?」
綱手様はいぶかしむ私をチラッと見ると、
「いや、何、うまくいかなかった任務があってな。まぁ、もう手は打ってあるんだが」
うまくいかなかった任務……。
それって、奈良さんの班?
さっき見かけた奈良さんの姿が目に浮かんだ。
「カカシはしばらく動けなかろう。名無し、お前は他の者と組ませて任務に出てもらうから、そのつもりでいてくれ」
ぼーっとしていた私の頭を、綱手様の声が引き戻す。
「あ、はい」
私は慌てて返事をした。
綱手様の話を聞き終えるや挨拶も適当に、私は急いで部屋を飛び出した。
早く追いかけなきゃ、奈良さんを。
今、あの人を一人にさせたくない。
先ほど奈良さんが歩いていた道を辿って、姿を消した方角へと足を走らせる。
そんな一生懸命な自分に、
何、私、必死になってんだろう?
冷静な自分の声がした。
別に私が行ったって……。
その声にふと私の足が止まる。
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