take me out
Girl's side-09 (ぺージ3/5)
彼らは私たちのことに全く気づかない様子で、
「森の中の警護もなんも起きねえからつまんねえなぁ」
「まぁ、そう腐るなよ」
と話している。
よかった。
私たちには気づいてない。
このままやり過ごして、この不審者の情報を里に届ければいい……。
私が胸の中で安心していると、不意に、
「確かに腐ることもねえか」
男の一人が頷いた。
「だろ?」
もう一人も満足そうに答えて笑った。
「今日は結構楽しめるよ」
そう言うと、彼らは突然走り出した。
え……?
視界から消えた彼らの姿を探す間もなく、
「何やってんのよ、お二人さん?」
今まで下にいた男がすでに目の前にいて、
――ッ。
私たちは急いで跳び下がった。
何、この人、速い――。
私はカカシ先生に目を向ける。
どうでます?
「名無子、俺がおさえるから、お前は里に戻ってこのことを火影様に報告しろ」
カカシ先生がそう言って、左目の額当てをずらした。
「行け」
「はい」
カカシ先生が敵に飛び込んでいくと同時に、私も里への道を戻り始める。
戻り始めようとした――。
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