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Girl's side-07 (ぺージ2/3)

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別に奈良さんに会いに行くわけじゃないから、私。

変化の術で歳のいったおばあさんに化けた私は、人に聞き聞き、奈良さんの家を探し当てた。

深い意味なんかない。
どこに住んでるのか確認するだけだから。

懸命に自分の理論を心に押しつけて、私は変化の術を解いた。





木の上にしゃがみ込んで、私は人に教えてもらった奈良さんの家を覗き込んでいた。
ここから斜め下方に見える奈良家の縁側には見覚えのある姿が寝っ転がっている。

アレ、奈良さんだ。

右腕で肘枕を作って、相変わらずヤル気なさげな雰囲気一杯に空を見上げている。
私も奈良さんの視線を追って、肩越しに振り返った。
私の視界にも流れる白い雲が映し出される。
太陽の光に照らされてキラつく雲に、私はしばらく見とれた。

キレイ。
奈良さんもコレを見てるのかな。

そんなふうに思って縁側に目をやると。
……寝ている。
奈良さんは縁側で腕枕のまま寝ている。

オヤジくさい……。

思わず呟くと、私は木から飛び降りた。



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