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Girl's side-06 (ぺージ1/3)

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どこかで鳥が飛び立ったらしい。
羽ばたきの音が聞こえた。
その音に気を取られた私は一瞬焦点がブレて、青年の後ろの空が目に入る。

あ……。

私の視線は彼の顔からその背後へとゆるやかに外れていった。

虹……だ。
七色の虹だ……。

「はぁーキレイなもんだな」

ハッキリと耳に届いたその声に、私のボヤけた頭が突然活動を開始した。
霧が晴れていくように徐々にクッキリと輪郭をかたどって、私はようやく思い出す。

そうだ、奈良シカマル……。

私は目の前にたたずむその背中を凝視した。

奈良さん……。
奈良さんがいる。

奈良さんは虹の方を向いたまま左手を腰に置いた姿勢で、静かに言葉を紡いだ。

「お前さー、空眺めるときは俺に言えよ。めんどくせーけど俺が一緒につきあってやるから。一人で見上げてんのも寂しいだろ?」

奈良さんの思いも寄らない言葉に体が急に温かくなって、私はぎゅうっと目をつぶった。
決して嫌ではないのに、その温かさがひどく煩わしくて、妙に怖くて、私の心が困惑する。

なんで?
なんで、そんなこと言うの?
私のこと嫌ってたでしょ?
そんなふうに優しくしないでよ――。



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