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Girl's side-05 (ぺージ1/3)

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湿っぽい雨の香りをはらんだ風の中で、私は一人修行に励んでいた。
家族三人でいつも修行に使っていた林に身を置いて、敵との戦いをイメージしながら練習する。
意識を集中して、余計な思いを頭の中から追い出して。

もっと、もっと強くなりたい。

全てを超越できるように、私は修行に没頭していく。





ポタッ。

自分の頬にあたった水滴に、私は雨が降り出したことを知った。
動きを止めて木々の間からわずかにのぞく灰色の空を見上げる。
また一滴、私の頬に雨があたった。

今日はもうお仕舞いにしよう。

頬に伝う滴を私は手の甲でぬぐった。





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