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Boy's side-35 (ぺージ1/2)

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ずっとずっと言おうと思っていたその言葉。
それを俺はアイツに告げた。

「なぁ、名無子。お前、俺と付き合え」

突然の告白に、俺の頭の上で名無子が驚愕する空気が伝わってくる。
言葉、探してる。
俺はその名無子の沈黙を黙って待ってやる。
少しして、頭の上から遠慮がちにアイツの声が降ってきた。

「あたし…無愛想、ですよ?」
「知ってる」
「冷たくて…素直じゃなくて……。可愛げないですよ?」
「それも知ってる。不器用でがんばりやで。ホントは優しくて傷つきやすいことも、すげぇ寂しがりやで泣き虫なことも、全部知ってる」

知ってて言ってる。

「俺と付き合え、名無子」
「……」

名無子は腕の中でゴソッと身じろぎすると、

「……コレ」

俺の顔の近くに布製の袋を差し出した。
手作りらしい生成色した巾着袋はその端に小さな虹が刺繍してある。

「――?」

俺は名無子をゆっくり地面におろし、その袋を受け取った。

「私のお守り、です」

前、話してたやつか。

以前、コイツが話してくれたお守りの話を思い出す。
でも、今それが、なんの関係があるというんだろう。
俺は心の中で首をかしげつつ、結構ズッシリしているその中身を見ようと袋の中を覗き込んだ。

「……手裏剣?」

中には手裏剣が三枚入っていた。
なんでこんなものがお守りなのか知りたくて、俺が名無子に目をやると、名無子は地面を見つめながらポツポツと話し出した。

「初めて一緒に任務出た時のこと、覚えてます? 旅の一座の護衛で……」
「山賊に襲われたアレだろ?」
「えぇ、そうです」

俺はまだお前のこと、なんも知らなくて、ただただ冷静で完璧な隙のない人間に見えてた時。

「あの時、シカマルさんが私を助けようとして、この手裏剣を投げてくれたんです」
「あぁ……」

俺はあの日の記憶を思い出していた。
確かにそんなこともあった。
俺はお前の分身に気付けず、てっきり本人がやられると勘違いして、あのとき手裏剣を使ったんだ。



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