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Boy's side-32 (ぺージ2/2)

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「頼んだぞ。では帰ってよろしい」
「はぁ。失礼しまーす……」

キツネに化かされたような気分で、俺は綱手に背を向け、火影室のドアに手を伸ばす。
そして、俺がガチャリと扉を開けた瞬間、綱手が俺の背にこれ見よがしに言い切った。

「シカマル、人手不足なんだ。すぐに任務についてもらうと伝えておけよ。名無しに」

その声に、俺はぐっと息を飲む。

やっぱ、わかってやがったか。
めんどくせぇー。

しかめっ面の俺は素早く廊下に身を滑らし、迷わず即座にドアを閉めた。





相変わらず病室では、ベッドの枕元にクマのぬいぐるみを置いてくれてる。
それを大切そうに抱き上げると、名無子が俺を見た。

「忘れモンはねぇーか?」
「大丈夫」
「よし、行くか」

俺はベッドの上の少ない荷物に手をかけた。





せっかくの退院日だというのに、外は雨降りで。
でも、そのわりに俺の気持ちは水たまりに飛んで入りたいほどウカレてる。

これでまた晴れた日に好きな場所で二人、空見上げたりできんだよな。

そんなことを考えていると、この雨くらいたいして気にならなくなる。

「お待たせです」

退院手続きを済ませたアイツが俺のそばにやってきた。
そのまま二人、出口に向かう。
俺たちは傘をさし、病院を後にした。





to be continued.
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