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Boy's side-30 (ぺージ2/3)

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アイツ、喜んでくれっかな。

走りながら、俺は手にした包みを大事に抱えなおした。
任務が終わっての帰り道、行商人の開く出店を見かけて、なんとなくのぞき込んだ俺の目にコイツのマヌケ面が飛び込んできた。

ちょうど、いーや。
名無子に買って帰ってやろう。

そう思って購入し、ここまで一緒に帰ってきた。

あとは名無子が喜んでくれれば、今日の任務完了ってとこなんだけど。
どーかな。

渡した時の名無子の顔が早く見たくて、俺は走る足に力を込めた。





っつぅーか、アイツ寝ちまってる……?

真っ暗な病院を前にして、そりゃそうだよなと思う。

こんな時間だしな……。

とりあえず、俺は名無子の病室の下まで行ってみる。
名無子は意識を取り戻した後、部屋を移動して、今は2階の大部屋にいる。
治療の甲斐あって順調に怪我も回復し、他の患者さんと一緒に寝起きしていた。
そして、ちょうど俺が見上げているあの窓。
そのそばに名無子のベッドがある。

さてと……。

病院の中に入れるわけがない俺はあたりを見回した。



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