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Boy's side-27 (ぺージ2/2)

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殴っても叫んでも、それでもまだ俺の気持はおさまらなくて、再び殴りかかろうとカカシのそばに歩みよる。
その時、

「よせ、シカマル!!」

いつの間にか手術を終え部屋から出てきた綱手が、すぐ横で俺の腕を押えていた。
振りほどこうにも、しっかりとつかんで放しやしねぇ。
クッと歯噛みする俺の目を、綱手はただ黙ってじっと見つめてくる。
そんな綱手をギリッと睨み返した時、俺はハッと我に返った。

そうだ。
カカシのことなんかより――。

今度は綱手を問い詰める。

「名無子は……? 名無子はッ?! 大丈夫なのかよ?」

勢い込んで詰め寄った俺の問いには答えず、綱手は冷静に話を元に戻した。

「カカシが悪いわけじゃない。カカシは任務を遂行させている。その上でケガ人が出たんだ。仕方のないことだ。お前も忍びならわかるだろう?」
「――」

わかってる。
任務を遂行させる、それが一番大切だってことくらい。
カカシのことだ、名無子を助けようとして、きっと必死にもなったはずだ。
それに、さっきだってわざと避けずに俺に殴られたんだろ。
わかってる。
カカシが悪いわけじゃない。
そのくらいわかってる。
けど――。

綱手は大きくため息を吐くと俺の腕を放した。

「大丈夫だ。名無しも命に別条はない」
「――ッ!!」

その言葉を合図に、俺は手術室に向かって駆け出そうとした。
その腕を再び綱手につかまれる。

「どこ行くんだ、シカマル? 名無しならもう手術室にはいない。他の部屋に移した」
「じゃぁ――」

どこにいんだよ?

俺は綱手を見つめた。

「だめだ。まだ面会できる状態じゃない」

それでも俺は綱手を強く見据えたまま、目をそらさずにいた。
何秒間か俺と視線を絡めていた綱手が、目を伏せて俺の腕を放した。
あきらめ顔でため息と共に俺に伝える。

「手術室の前を左にまっすぐ行け。右側の部屋にいる」

その声に俺はダッと走り出した。
言われたとおり手術室の前を左に折れ、通路の右側、名無子のいるその部屋を俺は目指した。





to be continued.
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